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表現活動をしていたり、商品・サービスを提供していたりする人で、顧客のファン化に悩んでいる人は少なくないはずです。

今回は、アーティスト・表現者・自社商品を販売している人、自社サービスを提供している人に向けて、ファンとのエンゲージメント(つながりの強さ)を深める方法について考えてみたいと思います。
今の時代、ファン化に欠かせないのは、「ストーリー性」と「成長の過程の共有」。この二つですね。
テレビに出ているアーティストたちよりも、歌い手や配信者たちが「コアなファン」を獲得しているところにヒントがあります。(※コアなファンというのは定義がさまざまですが)

ちなみに、爆発的にファン数を拡大していく戦略とは異なります。それはまた別の方法がありますので。

まず、ストーリー性については、その人・物に対して、背景にどういったストーリーがあるのか。そのストーリーに惹かれるよう、自身や自社商品や自社サービスをプロモーションしていくことが重要です。

もはや、ツールの質の向上に伴って、どんな作品も物もサービスも品質が高まり、提供できる内容では差別化が難しくなっています。
そうなってくると、人はストーリーに共感する。共鳴する。結果、支持する。支援する。という流れに動きます。

テレビから一方的に流れてくる新人アーティストの楽曲よりも、歌い手や配信者を支持したくなる理由は、後者のほうがストーリーを訴求する機会が圧倒的に多いから。

テレビだったら出演するために運やら縁やら才能やらを必要としますが、後者の場合は基本的に無料のツールを活用して世にアピールできる。そういった立場にある表現のほうが、圧倒的にストーリーへの支持を集めやすい。結果的に、ディープなファン化を実現することができるのです。

あと、成長の過程を共有するっていうのも重要です。

完成品を「はい、どうぞ!」と出されるのではなく、その人・物が完成していく過程を、ファンが見守り、ファンが支持し支援する。
そうすることで、活動のすべてがファンとの共有財産になるため、一方的な押し付けの表現よりも、ファンの満足度が高まります。

たとえ失敗したり売れなかったとしても、そのすべてをファンは自分事として受け入れてくれますし、むしろそういった過程を共有することによって、ファン自らがエンゲージメントを深めてくれます。

ひと昔前によく流行した、オーディション段階から番組で放映し、成長の過程を見せつつ、デビュー前からファン化が進行した状態で、世間にデビューする。という手法が、比較的近い手法です。

ファンたちは「俺たち私たちが支持し支えたアーティスト」といった感情を持っているため、息の長いファンを形成することができるのです。

ただ、ここで重要なポイントがあります。
それは、ひと昔前(インターネット普及以前)と現代では、提供側とファン側のコミュニケーションの形が異なっているという点です。

過去の手法では、成長の過程を見ることしかできず、仮にできたとしても、ファン投票に参加したりイベントに参加したり程度しか、成長の過程に加担できなかった。
しかし、今や双方向のコミュニケーションは当たり前。提供側とファン側はリアルタイムでコミュニケーションを取ることができるため、より身近に、より自分事化することができるのです。これは圧倒的な違いを生んでいます。

ファン側が最大限にでき得る行為が「応援」であったのに対し、今では「参加」ができる。支持する人や物が持つストーリー性や成長の過程の中に入り込むことができるので、以前とは比べ物にならないほどのエンゲージメントを形成できるということです。

結論、アーティスト・表現者・自社商品を販売している人、自社サービスを提供している人たちがすべきことは、旧来の広告、という手法ではありません。
コンテンツや商品力などで差別化すべきじゃない。「ウチの商品はどこよりも高品質!」なんて広告でなびく消費者は激減しているということです。

「支持したくなる理由」をターゲットにしっかりと見せることで、「支持する理由」が消費者側に芽生える。
そして、旧来のマスメディアがやっていたような、美しい広告でラッピングするのではなく、ありのままをすべて見てもらう。
表現や商品・サービスが持つ感情の部分と、ターゲットの感情をシンクロさせるイメージです。

と聞くと、「いやいや、メジャーアーティストのほうが圧倒的にファンが多いでしょうに」「マスメディアで広告宣伝したほうが商品は売れているでしょうに」と考える人も多いと思います。

ただ、現在の世の中の流れを見たときに、若年層の支持傾向はマスメディア型とは完全にズレれています。
ここ数年のファン数や売上数だけを見て、旧来のやり方を盲信していると、大きな波が来たときに世の中から抹消されてしまいかねません。

きっと、テレビに頻出しているメジャーアーティストと、インターネットを中心に活動している人気歌い手や配信者が、同時に「事」を起こしたとき、きっと後者のほうが目に見える数字として記録を残すでしょう。

知らないことは存在しないことではありません。
知らないことが、いつしか驚異になり台頭する時代です。

電通による2018年の日本の広告費によると、「インターネット広告費」が1兆7,589億円、「地上波テレビ広告費」の1兆7,848億円に迫っています。
これが何を意味するか。主流という考え方が逆転するということ。今までのやり方が通用しなくなる、ということです。

最後に重要な答えになりますが、ファン化が深まれば、マネタイズのタイミングを作り出しやすくなるという点も無視できません。そこから逆算しての、ファン化の重要性ですからね。

「ストーリー性」と「成長の過程の共有」に着目して、プロモーションを仕掛けてみてはいかがでしょうか。