簿記の知識を経営にもしっかりと活かしてみたくて、手始めに入門書的な本書をkindle版で購入してみた。『10分で読み解く』という見出しにふさわしく、とてもシンプルで且つ、実用的な数字を読み取るための"入り口"が示されている。

本書での数字の読み解き方を、さらにディープに、より実践的に深掘りしてみたくなる一冊。その中身とは……?

10分で読み解く!一流の営業マンになるための財務分析
ごきげんビジネス出版 (2015-11-26)
売り上げランキング: 7,118

法人営業マンが抱える、商品や業界には詳しいがクライアントの経営者が何を悩んでいるかがわからない、というジレンマを解決します。
クライアントの財務諸表を分析し、メッセージを得て仮説を構築し、それを検証することで、その会社の特徴や問題点を明らかにし、問題解決策を提案できるようになります。
細かい指標の計算は必要ありません。大事なことは、財務諸表からメッセージを得て仮説を構築することです。そしてそれをクライアントにぶつけて検証する、その過程で信頼を勝ち取ることがこの本の最終目的です。

本書では、「財務諸表を分析するメリット」にはじまり「財務分析を勉強する方法」へと続く。個人的には、簿記と財務分析の相関性について知りたくて、本書を購入してみた。なるほど、たしかに財務分析をするなら簿記の知識は不可欠だな、と感じた。

で、損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書の実践的な分析方法を、実際のデータ比較をもとに解説してくれる。あくまで「10分で読み解く」がテーマの本書だから、当然、深度ある分析までは言及されていない。ただ、この知識を足がかりにして、より深い分析をしてみたくなる一冊であることには違いない。

『ビジネスに正解はない。ただし、正しい問い掛けはある。』と本作で語られる通り、財務諸表を分析した上で精度高い仮説を立てることができれば、対クライアントの場合は正しい問い掛けを投げかけられる。自社の経営の場合なら、正しい現状把握と、確度高い次の一手を打ち出せるだろう。

最大限に数字を読み解くためには、最小限のポイントを押さえておく必要がある。そんなポイントを端的に伝えてくれる本書。財務分析に興味を持った営業担当、経営者の入門書としては接しやすく飲み込みやすい一冊と言えるのではないでしょうか。