本作で読み取るべき、体感すべきは、書籍の向こう側にある!

お笑い芸人であり絵本作家であり、国内最大規模を誇るオンラインサロンの運営者である西野亮廣。本作でも、これからの時代の生き方がたっぷりと語られている。

第1章「貯信時代」では、「信用」が価値になるというこれからの時代(もう既にその時代に突入している)の生き方が示されている。

第2章「オンラインサロン」では、スポンサーに広告費を出してもらい、その予算の中で生きていく旧時代の生き方ではなく、お客さんから直接支持を受ける「ダイレクト課金」の考え方やオンラインサロン運営のノウハウなどが語られている。

そして、第3章「新世界」では、文字を通貨としたサイト「レターポット」へとつながる「言葉」の価値について語られている。

「はじめに」と「おわりに」も、西野氏の温かみが伝わる言葉が連ねられている。

本作は、とても実用的だ。
これからの時代を生きるための概念だけに留まらず、生きるためにはどうすればいいのか、具体的な行動を後押ししてくれる内容まで記されている。

つまりは、「こう考えなきゃダメ。なぜならこうだから。で、こうすればいいんだよ」までが書かれているため、新たな価値観を手に入れたうえで、どう行動すればいいのか。要するに、読了後からすぐに動きはじめられる、コスパの高い著作といえます。

そして、常日頃から西野氏が語る戦略の中でも、本作を読むことで確信に変わったことがあります。それは何かと言いますと…


新世界
新世界
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西野 亮廣
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挑戦するたびにバッシングされそれでも失敗と成功を積み重ねてきたキングコング西野が向き合い続けるお金と信用、そして未来の生き方の具体的戦略。

株式会社ニシノコンサルでも度々語られる「書籍がノベルティ」というコメント。SHOWROOM株式会社の前田裕二氏も度々語っているとおり、書籍の印税を目当てに出版するのではなく、本が宣伝になっていて、本が売れることで別で利益を得るモデル。本作を読んでいて、ノベルティ作家としてのその戦略を確信したのです。実におもしろかったのです。ああ、その戦略を今、体感している、と。

西野氏は本作で、これからの時代の生き方を示しつつ、その生き方にマッチした複数のサービスを既に展開している。要するに、その考え方を体現したサービスを用意してくれているということ。

で、本作で西野氏の理念に共鳴した読者は、それが体現されたサービスも魅力的に映る。新しい価値観に触れてみたくなる。使ってみたくなる。入ってみたくなる。

西野氏は常々、本はノベルティでオンラインサロンや他のサービスを宣伝する役割。だから、印税をすべて広告宣伝費に使っても全く困らないと、出版する本の立ち位置を語っています。本作を読み込めば、その戦略をしっかりと体感することができる。それが何より、貴重な体験でした。

もちろん、その戦略に気づかなくとも、読了後に行動に移さなくとも、これからの時代を生きるために必要な考え方とは何か? について触れられるという点だけでもパフォーマンスの高い本作。つまりは、いろいろな旨味が感じられる著作、と言えるでしょう。

そして、終盤の「レターポット」について語られる辺りから、感情がグッとこみ上げてきた。

とても温かい言葉だったので、締めくくりに引用させていただきます。

ボクらは、使える文字数に制限があると、わざわざ誰かを傷つけるようなことに文字を割かない。

たとえばキミの手元に、あと20文字しか残っていなければ、キミはその文字を大切な人に贈るだろう。

元来、言葉は美しい。
言葉を汚している原因は、「文字」が無尽蔵に発行できてしまうことと、そこからくるボクらの甘えだと知った。

もしも言葉が消えるのなら。
もしも使える言葉が今夜無くなってしまうのなら、ボクは誰に言葉を贈るだろう?
昨日、選んだ言葉は合っていたのかな?
レターポットを使うようになってから、そんなことを考えるようになった。

そして、何より嬉しかったのは、「人間は、汚い言葉よりも美しい言葉を優先的に選ぶ生き物である」ということが分かったことだ。

同じく言葉を扱う人間として、レターポットは理念のしっかりしたサービスだなと感じたし、何より言葉の重みを再確認させられた。

これからの日本は、ますます生きにくい時代になると思う。でも、選択肢や可能性が多い時代には違いない。感じて動き、また感じて。ビジネスの世界ではPDCAサイクルなんて言葉で表現されるけれど、人間としてのそんなサイクルを回して生きることができれば、とてもとても楽しい時代になるんじゃないだろうかと、本作を読んでいて思いました。

西野氏の考え方と戦略を確認してみたいという方にはオススメの良書です。