「やる奴」と「やらない奴」。
あなたはどっちの人間?

さて皆さん、「やる奴」と「やらない奴」の2種類の人間しか存在しない時代になりましたよ。
才能があるからとかお金があるからとか、そんな条件はもはや存在しない。思い立ったら今すぐにでも攻められる時代になり、自分の意思ひとつで何かを変えられる時代になりましたよ。

いやいや、インターネットがなかった頃は、そりゃ大変でしたよ。インターネット黎明期には、あれこれ試行錯誤して頑張りましたよ。そして整いましたよ。もう、整って久しいですよ。

そして、もうひとつの人間の分類。
それは、「今を生きる人」と「これまでを生きた人」の2種類。

今を生きる人の特徴は、現代にマッチした生き方を知っている人。現代に最適化するようアップデートい続けられる人。とにかく情報をたくさん手にし、とにかく動きまくる人。それが、今を生きる人。

で、これまでを生きた人の特徴は、これまでのやり方を現代に適応させようと頑張る人。これまでの実績を引っさげ、これまでの慣習を微妙にアップデートしながら、心のどこかでこれまでの名誉を誇り、「所詮今の時代なんて」と、酔っ払った際にでもトロッと愚痴がこぼれる人。

既に、革命は起きた。

革命によって価値観は変わった、のではなく、新しい価値観が生まれた。それに気づかない人たち、それに気づけない人たち、それを気づこうとしない人たち。

悲しいことに日本にはこれまでの時代を支えてくれた人の数が多すぎる。そして、その人たちの多くは、新しい価値観に気づかない、気づけない、気づこうとしない。で、その結果、新しい価値観を次代へと推し進める人たちの足を引っ張る。

いいかい?

これまでの歴史において、価値観が変わることなんて何度もあった。だから、これまでを生きた人の多くは、「俺らの時代にも価値観なんて何度も変わったぜ」と胸を張る。だけどそこが間違っている。価値観が変わったんじゃない。新しい価値観が生まれたんだ。だから、過去の数式・方程式・物差しじゃ測れない。

生きているうちに、この革命に立ち会えて良かった。

さぁ、戦う準備は整ったかい?

という言葉が現代には最適なフレーズじゃないってこと、もうわかるよね。
さぁ、準備なんてしなくていいから、とりあえず戦いに行こう。武器はあちらこちらに落ちている。拾いながら強くなろう。大冒険は、レベル1からスタートするからおもしろいんだ。


革命のファンファーレ 現代のお金と広告
西野 亮廣
幻冬舎 (2017-10-04)
売り上げランキング: 614

クラウドファンディングで国内歴代最高となる総額1億円を個人で調達し、絵本『えんとつ町のプペル』を作り、30万部突破のメガヒットへと導いた天才クリエイターが語る、"現代のお金の作り方と使い方"と最強の広告戦略、そして、これからの時代の働き方。

本作を読む前と読んだ後で、自分はもはや同一人物ではない。多大な影響を受けた、なんて月並みな表現じゃ済まされない。きっとこんな表現が正しいんだろう。

死ぬほど自分を戒めた。

本作は以前読んだ西野亮廣著「魔法のコンパス」よりも、たしかにビジネス趣向で書かれていると感じた。もちろん、クリエイターにとっては学ぶべき部分が圧倒的に多い。ただ、現代のお金と広告という副題が付されているとおり、クリエイター以外の人たちにとっての「答え」も多分に書かれている。

では、なぜこれほどまでに自分を戒めるに至ったか?

それは、「作品の販売を他人に委ねるな。それは作品の『育児放棄』だ。」と目の醒める一言をぶっ込まれたから。これほどまでに印象に残る言葉は、これまでになかった。その瞬間、突き動かされるように自分を見つめ直し、その刹那、生き方と考え方と動き方を改めた。自分を戒めた。

本作はまさに、現代を生きる人のための本。

日本経済の不況が続き、大企業が倒産したり終身雇用制度が形だけのものとなり、「何かに属する」価値が果てしなく低下した現代。まさに時代は、一人ひとりが生き残っていくためのサバイバル。

本作では、そんなサバイバルを生き抜く、いや、生き残っていく、いや、痛快に生きるためのノウハウが惜しみなく語られている。他人と競って勝つ方法。お金の価値観。マネタイズの方法。作品の売り方。そして何より、クリエイターを続けるために必要な原資を得る方法など。西野亮廣なりの答えがそこにたくさん散りばめられている。

この作品は老若男女、多くの人に支持されている。
ただ、仮にビジネス本として僕が本作を支持する理由は、多くの人とは少し異なるのかもしれない。

ビジネス本の多くは、成功者だったり知識人だったりが、著者なりの経験と実績をもとに語る。その人の成功や失敗についても、その人の口から語られることが多い。

ただ、西野亮廣は違う。なぜなら、自分と同い年ということもあり、西野亮廣とお笑い養成所を共にした友人がいることもあり、その存在にリアリティがあり過ぎる。で、西野亮廣が世に出て世を闊歩する様もリアルタイムで見てきた。

だから、その口から発せられる言葉に、重みと温度を感じずにはいられない。
そしてそこには、おこがましくも嫉妬が混じっているのかもしれない。

で、西野亮廣のビジネス本の特徴をもうひとつ。

西野亮廣の言葉は他のビジネス本の語り口よりも優しい。ただ、言っていることはめちゃくちゃ厳しい。で、西野亮廣自身が圧倒的な努力家ゆえに、たとえ彼に影響を受けたとしても、相当な覚悟がないと、マネどころか実行すらできない。
結論、今もなお、自身が全力疾走しながら築き上げているノウハウだからこそ、他のビジネス本の著者よりも説得力があり且つ、驚くほどに厳しい。

彼のようになりたい。は、簡単。
でも、彼のようになるために必要な努力は、腹を括らねば実行できない。
彼を見て、成功を夢見る。のは、簡単。
ただ、彼と同じようにして成功するのは、きっと困難。それは運やら縁やら才能の問題じゃない。努力と覚悟の面において。

なので本作、クリエイターとして自分自身の可能性を信じたくなる優しい本であり、反面、成功の条件として「生ぬるい覚悟を殺す」ことが明示されている厳しい本だと感じた。

結論、本作を例えるなら母のような作品。甘やかしてもくれるが、鬼の形相で叱ってもくれる。
「あんたがやるかやらないかだけだよ。やり方は無数にあるし、やり方は教えてあげる。でも最終的には、あんたがやるかやらないかだけ」。やはりママは恐い。

楽しむことは、楽することじゃない。
現代というサバイバルを楽しんで生きるために、良薬口に苦し、な本作をおすすめします。