どうやら、世界の人からすると、日本人は嘘つきらしい。

ある外国人の方と会話したときのこと。日本人の印象を尋ねてみると、日本人は嘘つきだと言う。他国の中でも、日本人は嘘つきで有名なんだと言う。僕はそれを否定した。

僕の主張はこうだった。

相手のことを思いやるからこそ、相手の喜ぶことをしてあげたいし、相手に合わせた行動も取りたい。相手が満足することを考えながら、僕たち日本人は行動している、と。

外国人の方の解釈は違った。

自分の本心・本音と違う行動なわけでしょ? それって、自分が本当にやりたいこと、言いたいことと違うわけでしょ? なぜそんなことをするの? それって、嘘でしょ? 相手にとって失礼じゃない?

いやいや、相手にとって良かれと思って行動しているから、それは決して嘘じゃない。相手に喜んでもらいたいというのが、紛れもなく本心であり本音だから、嘘じゃないんだ。

じゃあもし、誰かが作って来てくれたお弁当が、すごく不味かったとするじゃない? それを食べて、日本人は何って言うの?

たとえば、「美味しいんだけど、なかなか独特な味付けだね」とか、味そのものの評価じゃなくて作ってくれたことに対して、ありがとうって言ったり。

でも、心の中は?

もちろん、不味いと思ってる。

じゃあ、嘘じゃん。それって嘘つきじゃん。だから、日本人って信用できないんだよ。顔では笑っているようでも、心の中じゃ笑ってないときだって多いし。その場では「OK!」って言っておきながら、後々になって、実は「OK!」じゃなかったらしいって、周りの人から聞かされたり。結局のところ、何考えてるかわからないんだよね、日本人って。

外国の人とコミュニケーションする機会をほとんど持たずに生きてきた僕は、そのとき、新たな価値観に気づいた。日本人が日本国内において、日本人同士のコミュニケーションを潤滑にするために行うこと、気遣い・遠慮・譲歩・思いやりなどの類は、外国の人からすると嘘に映ることもあるということ。あれは、日本人同士だから成り立つ感情の譲り合いなんだってこと。

僕はそれを日本人の美徳だと胸を張る。ただ、世界に目を向けると、それを美徳に感じない人がたくさんいるし、それを美徳だと胸を張る日本人のほうが、世界という視点で見ればマイノリティなんだということを忘れちゃいけない。

でも、世界でバカにされる日本人ならまだしも、嘘つきだと思われているなんて……。



テレビ・雑誌にあふれている バカみたいな“日本スゴイ"論は大間違い!
日本人よ、目を覚ませ――。
「外国人が“本当はどう思っているか" 教えてあげよう」
元国連職員の著者が日本人に対する“外国人の【本当の本音】"を初めて明かす!

「日本人は自国が世界の先進国で、世界中の人が日本にあこがれ、日本を尊敬し、日本を見習いたいと思っていると勝手に思い込んでいるようですが、実はそう思っているのは日本人だけです」

本書を読むまで、恥ずかしながら日本人は世界から"ある程度"注目されていると思っていた。世界のなかでも、他の国から"ある程度"意識されている国だと。

もちろん、分野においては世界から注目を集めている側面もあるだろう。それは事実に違いないし、否定されるべきことでもない。ただ、多くの日本人同様、僕自身が、世界から見た日本像を何倍にも過大評価していたことは認めざるを得ない。本書を読んで、大いに見方が変わったし、変えてくれてありがとうございます、ほんと。

本作は、以下の5章で構成されている。
第1章 世界からみて――「ここが変だよ日本人! 」BEST7
第2章 世界は日本をバカにしている
第3章 日本人の「ここ」が大嫌い!
第4章 お笑い! 世界万国バカ博覧会
第5章 バカにされない日本人になる方法

本書で伝えられることは、え!?そうなん?って目からウロコな部分と、やっぱりそうなんやねと、改めて納得してしまう部分の大きくふたつ。

冒頭で書いた日本人の感情表現の部分なんかは、確かにそうかもしれないなと納得。本書でも書かれているが、日本人の礼儀が表層的なために、付き合いにくいと感じられているんだろうなとか、そういうズレは大いにあると思う。

日本人の働き方が世界から見て生産性が著しく低いのも頷ける。終身雇用制度があったからだろうか、常に「老いていく人たちの価値観」が正義とされ、それに従わなければ上に行けないという風潮が、「進化する社会においても、古きものを守り続ける悪しき習慣」へと化けた。

もちろんそれは、伝統という意味ではなくて、変わらなければならない局面でも、変わらないことを選んでしまう風潮という意味で。

日本の職場で勤務することになった外国人が、あまりの非効率さにカルチャーショックを受けるケースなども本書では語られているが、本当に情けない。日本人は良く働く人種だと言われるのは、ある種誇らしいが、そんな働き方してちゃ、そりゃ休みも取れないわなぁ、と鼻で笑われるのは、なんとも情けない。

一方、え!?そうなん? な部分としては、日本人は世界でも注目を浴びているというメディアの伝え方が、日本人自身の勘違いを生んでいると指摘されている部分。恥ずかしながら、僕は思いっきり勘違いをしているタイプだった。

日本人、まあまあ有名やん、とも思っていたし、日本人、まあまあイケてるやん、とも思っていた。ところがどっこい、違ったみたい……。

もっとショックだったのは、日本人が美徳とする「おもてなし」の精神も、外国人にとっては迷惑だったりすることもある、ということ。本書では、飲食店や旅館などの事例でそれが語られている。なんだか悲しくなるくらいの事実だった。

これから日本は、さらにグローバル化へと歩んでいかねばならない。高齢化が進む日本、国内だけに目を向けていては近い将来、滅びてしまう。自分たちより下の世代のためにも、今、日本のグローバル化を少しでも推し進めておいてあげたい。

日本が何よりも大好きな僕の中には、本書を読んでなお、「何を言われようが、これが日本の良いところだ!」と抗いたくなる自分もいた。でも、価値観も文化も違う人たちと、これからは生きていかなければならない。美徳は感じてもらうものであって、決して押し付けるものじゃない。

冷静に日本人を俯瞰できる本書。これからの日本に生きるためには、読んでおいて損はない一冊です。