職業柄、トレンド分析やモノの普及について、個人的な範囲でマーケティングすることが多く、つい先日も、ふと、

「そういや、facebookの日本での普及って、今はどんな感じの傾向にあるんやろか?」

と疑問に思い、調べてみた。

映画「ソーシャルネットワーク」のムーブメントも沈静化し、思ったほど「身近な人たち」がfacebookを使っておらず、「やや遠い人たち」もわずかしか使っておらず、とどのつまり、「facebookなう」はどんなもんだろう。
んで調べてみた。

そうしたらまぁ、思わぬ仮説が成り立ち、やや興奮。
ガッチリと調査したわけではないので、あくまで仮設な仮説ですが、自分への気づきも含めて、書いてみよう。

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まずは、Google Insightsを使って、いわゆるひとつの、facebook、mixi、twitterの検索傾向をチェックしてみる。

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ご覧の通り、2010年の初旬に、facebookの検索トレンドが、mixiのそれを抜いてからというもの、右肩上がりでfacebookがひとり勝ちの状態をキープ。
2011年1月の「ソーシャルネットワーク」公開のタイミング以降は、それ以前よりもやや急角度で上昇を続けている。

このグラフだけを見ると、「さすがfacebookはん、全世界5億ユーザーを誇るSNSサイトは違いまんなぁ」となりそうなところだが、そこでふと、関連のグラフが目に止まる。

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facebookの人気度が、東京のみに集中している…

そう、facebookの普及を牽引しているのは、たった1都市、東京だけなのである。
しかも、その他の地域では、あろうことか、facebookよりも、他の2ソーシャルメディア、mixi、twitterの方が、人気度としては高い。

これが意味するものを考えてみる。
すると、ある仮説に行き着いた。

東京 首都圏の企業郡を中心に、facebookの興味が集中し、利用のネットワークが形造られているのではないか?

となったわけです。

要するに、日本の満遍なくの消費者たちが、好んで使用するメディアではなく、やはりビジネスユーザーや、ビジネスにおいて人脈を効果的に作ろうとしているユーザーを中心に、普及しているといえるのでは。

そしてさらに面白い結果が。

東京に次いで、facebookやmixiやtwitterの人気度で、上位に喰いこんできてもおかしくない都市 大阪が、トップ10内に姿がない。

ここでもう1つの仮説が。

関西人、何や言うて、目と目合わせて、肌触れ合わせて、コミュニケーションしてナンボ。

と言わんばかり、ソーシャルメディアにあまり興味を示さず、土着的な人脈術を依然続けている猛者の集まりなのでは。

なるほどなるほど、データを見ていると、いろんなものが仮説(すでに妄想の域かな)が成り立ってくる。

そうこうしていると、こんな記事まで出たりで。

日本のFacebookユーザー数、推定311万人で微減〜セレージャテクノロジーまとめ

普及はともかくとして、facebookでのネットワークの作り方は、まぁリアルのそれを完璧にはトレースできていないにしろ、比較的リアルのそれに近しい感覚はあります。

友人の探し方ひとつにしても、mixiやtwitterなんかが、「○○好きの人」や「趣味が○○」の人といった抽出をオンラインのユーザーに向けてスクリーニングするのに対し、facebookのそれでは、オフラインでのリアル人脈から派生させるイメージ。

まぁ、「友達の友達」が「友達」な率なんて、そうそう高くはないけれど、「友達を5回たどると、全世界の人口である60億人になる」といわれてるぐらいなので、あながち悪くはない。

※mixiにも卒業した学校でのマイミク検索など、リアルを基調としたつながりを探索する機能はあるが、ここではあくまで、「オンラインでのつながりを気軽に申し出られるか」それとも「オフラインでのつながりだから気軽につながれるか」の、あくまで個人の解釈だろ、という微妙なニュアンスの下、書いております。

そう考えると、mixiのマイミクと、facebookの友達、それらのつながりがどういった意味を持つのかというところまで考えが及ぶ。
オフラインとオンラインでのつながりや信頼度の強さについて言及すると、それは人それぞれなので、中途半端なことは書けないが、仮に実名性を持ち、リアルでのつながりを基調としているfacebookのつながりを、「濃い」と表現するならば、ここに広告の要素が入ってくる。

そう、広告の要素。

なぜfacebookが、googleの広告の仕組みを脅かさんとするぐらいの広告プラットフォームに成り上がりつつあるのか、そこまで話が及んでくる。

広告の話。それは、また次に書こう。

つながりの濃いところに、口コミは生まれる。そして、口コミは、その質で、マスメディアを凌駕する。
口コミを何よりも多く産めるプラットフォームを持つ者は、果たして誰だろうか。


なるほど、おもしろい。